スペシャル
2014年8月16日(土)よりテアトル新宿にてスタートしたサンライズフェスティバル。
この初日を飾るイベント、魔動王グランゾート25周年『ラビルーナ同窓会』が豪華ゲストによるトークショー&オールナイト上映会として開催されました。
この日、司会進行を勤めるのはアニメライターの小林治さん。
小林さんの呼び込みと同時にゲストである3人の魔動戦士、遥大地役の松岡洋子さん、ガス役の松田辰也さん、ラビ役の安達忍さんが大きな拍手の中、登壇しました。
松岡「こんなにたくさんの方に来て頂いて本当に嬉しいです。今日は皆さんと一緒に思いっきり楽しみたいです。」
松田「20年ぶり位でこういう場に登場するので舌が回っていませんが(笑)どうぞ宜しくお願い致します。」
安達「本当にお久しぶりです。浦島太郎のような私達ですが、皆さんと一緒に楽しみたいです。」
まずはお三方のサンライズ作品でのプロフィール紹介。
松岡さんは『装甲騎兵ボトムズ』や『GEAR戦士電童』
松田さんは『伝説巨神イデオン』
安達さんは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』や『魔神英雄伝ワタル』など。
何より欠かせないのは3人が揃って参加していた『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』です。角良平役の松田さんは「(収録に)よく遅刻していたので(城之内みき役の)安達さんに『何やってんの』とリアルで怒られていました(笑)」と、当時をふりかえり会場を盛り上げました。
松岡さんは「ランドルはクールでひねた感じの役だったので、苦労したキャラクターでした。大地とは真逆でしたね」と、少しの間サイバーフォーミュラ同窓会と思われるような時も(笑)。
声優業を引退されていた松田さんの消息について話が及ぶと、今回サンライズの担当が様々な情報を駆使して松田さんと連絡をとり、出演オファーがなされた裏話などがされました。
松田さん「もう20年以上もこういう場に立っていないので最初はご遠慮しようかと思いましたが、担当の方が何度もご連絡をとってくれて…『分かりました、そこまで仰るのなら!』」と後半はガス口調で想いを伝えてくれました。
思わず松岡さんも「よく探してくれましたよね」と感慨深くコメント。
安達さん「やっと会えたな」
松岡さん「な、ラビ」
松田さん「大地くん、ラビくん、お久しぶりでございます」
と、魔動戦士3人が本当に久しぶりに再会した瞬間でした。
話題が収録時の様子になると、グランゾートでは普段口にしないような呪文が言いづらかったとのこと。
その流れでなんと、グランゾート恒例の召喚シーンを3人で再現することに!
「ドーマ・キサラ・ムーン!光出でよ」に続いてそれぞれ、「汝グランゾート」「汝ウィンザート」「汝アクアビート」と叫びそれぞれの魔動王を召喚したのでした。
これにはファンも大喜び。会場からは大きな拍手と歓声の声が上がりました!
実は舞台上には黒幕に隠されたまま置かれて謎のパネルが…。
出演者も来場者も気になっていたこのパネルの黒幕を下ろすと、
25周年を記念して描き下ろされた吉松孝博さんによる記念イラストがお披露目されました。
久々のグランゾートの新規イラストに会場も大興奮。
安達さんが「25周年たっても可愛いね」と感激すると、松岡さんが「変わったのは私たちだけね」としみじみと呟く一幕も。
「25年たって25キロ体重が増えました」という松田さんのコメントには、松岡さんと安達さんがすかさず「ますますガスに近づいて!」「まんまよね」とツッコミを入れて会場の笑いを誘いました。
それぞれの演じられたキャラクターの印象を伺うと、
松田「自分のプライベートとはだいぶ違うキャラなので、言葉遣いにしても苦労しました。
(林原めぐみさん演じる)グリグリちゃんには、一番よく怒られました。」
安達「マザコンマザコン言いながら、自分がマザコンだったんですよね(笑)
(女の子人気がすごかったことに対して)当時は本当にありがとうございました。バレンタインデーにはたくさんチョコレートまで頂けて…ラビが食べていなかったのに、ごめんなさいね(笑)」
松岡「大地はオーディションだったのですが、最初から(演技が)やりやすかったです。すんなり入ってきました。」
と、3人それぞれの思い出を語って頂きました。
続けて今回上映する話数をセレクション頂いた、井内秀治監督から頂いたメッセージも発表。ファンの方やキャストの方だけでなく、監督にとってももちろん大事な作品であったことが改めて伝わるメッセージを頂けました。
久しぶりに『グランゾート』を全話数観直してみると、作品とは自分を映す『鏡』だとつくづく感じます。作品全体のテンポの緩さ、おとなしすぎるくらいのストーリー展開には、自分で作っておきながら少し驚きました。
昔の資料を見ると、「裏設定を深く掘り下げない」「無駄な伏線は張らない」「今風(当時の)レイアウト、ノリだけのタイミングで作画しない」など、数多く注文を出していると知って、自分の演出が変わったことがわかります。今ならば、裏の設定をどこまで視聴者に面白がってもらおうとか、ストーリーを盛り上げるにはどう伏線を張り巡らせようと頭を悩ませるはずです。
『グランゾート』のシンプルな作品作りを今観ると、「これでいいんだな」と感じます。
子供たちに過度な刺激を与えるのではなく、ホッとするような時間をロボットアクション作品で作りたかった。その頃の自分が鏡の向こうで言っているのが聞こえます。
「これがいいんだ!」
『大地の鼓動を聞き、風の流れを見て、水の流れと話す』
ゆったりと時が流れる『グランゾート』の世界をお楽しみください。
『魔動王グランゾート』監督
井内秀治
楽しかったトークショーもあっという間に終盤。
ここで司会の小林さんから「スタッフからお手紙を預かっております。お一人ずつ読み上げて下さい」と3人にそれぞれ手紙が配られました。
初見の手紙を戸惑いながらも読み上げて頂くと…
松岡「魔動王グランゾートのBlu-rayが12月に発売決定致しました」
安達「公式サイトも本日プレオープン。皆で決めるオーディオコメンタリー投票もサイトで開催します。」
松田「魔動戦士三人のコメンタリーが聞きたいな~。ガス君も参加してくれますよね・・・?」
と、サプライズ発表&松田さんへのオーディオコメンタリーへのオファーが!
小林さんに「できたらここでお返事頂けましたら…」と問われると「宜しくお願い致します。」と松田さんから快くお返事頂きました。
皆さん、Blu-ray BOXに収録されるオーディオコメンタリーをどうぞ楽しみにして下さね!
最後に、登壇者の3人からそれぞれ一言ずつのメッセージを頂きました。
松岡「今日はすごく楽しかったです。半分忘れかけていましたが、皆さんと楽しいひとときが過ごせて感謝しております。これからも応援宜しくお願い致します。」
松田「20年以上離れていて今は普通のおじさんですが、この場に出させて頂いてだいぶ蘇ってきました。またちょっとずつ頑張れたらと思います。」
安達「今日は本当にありがとうございました。本当にグランゾートってこれぞ日本のアニメだと思います。すごく大好きな作品です。これからも愛してあげて下さい。」
立見も出る満員御礼の中、トークショーは大盛況の内に幕を下ろしました。
トークショーの後には25周年記念イラストが入った特製うちわがお土産として来場者全員に配布され、興奮冷めやらぬまま、第1話の上映がスタート。朝までの13話がセレクション上映後も来場者同士ロビーで談笑される姿は本当に同窓会のようでした。
また、会場ではメガハウスでシリーズが展開中のヴァリアヴルアクションのアクションフィギュアが勢揃い。また、スタジオライブをはじめとしたスタッフの他、漫画家星野リリィさんからも25周年を祝したイラスト入りサイン色紙が寄稿され、ロビーを賑やかせておりました。
ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。